【制作実績】和食居酒屋のフードメニュー制作(全12ページ)|炎舞様(シンガポール)
12ページのメニューで最初に決めるのは、ページの順番ではなく「どのページで注文が決まるか」です。シンガポールの和食居酒屋 炎舞(ENBU)様のフードメニュー全12ページ。1ページ目に炎を置いて、名物の大鉢刺身盛りだけは1皿でページを使い切りました。
12ページのメニューを作るとき、最初に決めるのはページの順番ではありません。
どのページで、お客様が注文を決めるかです。
前から順に読んで、最後のページまで見てから決める人は、ほとんどいません。だいたい2〜3ページ見たところで「これにしよう」と言って、そこで閉じます。だから、いちばん強い皿をどこに置くかで、注文の中身が変わってくるんですよね。
シンガポールの和食居酒屋 炎舞(ENBU/Japanese Grill Izakaya) 様。全12ページのフードメニューを制作しました。

制作したもの
全12ページのフードメニューです。カテゴリはこんな並びになりました。
- 藁焼き
- 炭焼き
- 炎舞名物 大鉢刺身盛り
- 刺身/カクテルシューター
- おつまみ
- サラダ/ピンチョス
- 鉄板
- 揚げ
- 蒸し
- 炙り鮨
- 鮨
- 飯/麺/甘
海外の日本食店ということで、料理名は日本語を主にしつつ、英語表記も併記できる構成にしています。
デザインで考えたこと
① 1ページ目に、炎を置く
冒頭に書いた「どこで決まるか」の答えとして、1ページ目に「藁焼き」を持ってきました。
背景は、燃えあがる藁の炎。そこに藁焼きローストビーフ、鶏の藁炙り焼き、藁焼きサーモンカルパッチョ、カツオの炙り藁焼き、タラバガニの藁炙り焼きを並べています。
店名が「炎舞」で、炭火と藁焼きが看板の店です。だったら1ページ目は、その名前の由来がそのまま見えるページにするのが自然ですよね。
料理写真を白背景で撮って並べる作り方もあります。清潔で見やすい。ただ、それだと「炎」がどこにも出てこないんです。炎を背景に敷くと、写真1枚1枚は少し読みにくくなります。それでも、店の性格を1ページ目で決め切るほうを選びました。
② カテゴリ名を、大きな白い筆文字にする
「藁焼き」「炭焼き」「おつまみ」「鉄板」「揚げ」「蒸し」「炙り鮨」「鮨」「飯」「麺」「甘」。
各ページのカテゴリ名を、白い筆文字で、ページの端に大きく配置しました。縦書きにしたり、横に寝かせたり、ページごとに置き場所を変えています。
これ、海外店だからこその処理でもあります。漢字が読めないお客様にとって、この大きな文字は「文章」ではなく「模様」として届くんですよね。日本の店だという合図になる。
読める人にはカテゴリ表示として機能して、読めない人には装飾として機能する。1つの要素に2つの役割を持たせています。
置き場所をページごとに変えたのは、12ページを繰る手を止めないためです。同じ位置に同じ大きさで並ぶと、ページをめくる感覚が単調になってしまいます。

③ 写真の大きさに、順位をつける
各ページで、写真の大きさを均等にしていません。
炭焼きのページなら、丸ごとキャベツの炭火焼きと、肉汁とろホッケ炭火焼きを大きく。串焼きや銀ダラの西京炭火焼きは小さく。1ページのなかに、主役級が1〜2皿、脇役が4〜6皿という構成です。
全部を同じ大きさにすると、選べなくなるんですよね。人は、大きい写真から順に見ます。その順番を、店側が決めておく。おすすめしたい皿、利益率のいい皿、写真映えする皿。どれを大きくするかは、お店の事情で変わります。
④ 名物ページは、1皿だけで見開きを使う
3ページ目は「炎舞名物 大鉢刺身盛り」。このページ、料理は1品しか載せていません。
大鉢に盛られた刺身盛りを、和傘と藁を添えて撮った写真。右側には炎舞のロゴと、縦書きで「炎舞名物 大鉢刺身盛り」。
12ページのなかで、ここだけ密度を落としました。ページを繰っていて急に余白が現れると、手が止まるんですよね。「これは特別な皿だ」と、レイアウトのほうが先に言ってくれます。
説明文には「黒いダイヤ」と呼ばれる本マグロの大トロ・中トロ・赤身が全て揃った盛り合わせであることを書きました。

⑤ ページごとに、背景の明暗を変える
藁焼きは炎の赤、炭焼きも炎の赤。大鉢刺身盛りは金色の和紙。刺身は黒。おつまみは料理写真そのものを敷き詰めた明るい面。サラダとピンチョスは白と黒の切り替え。鮨は黒。
暗いページが続いたら明るいページ、という流れを作っています。
12ページを一気に繰ると、同じトーンが続いた時点で飽きが来るんです。ページの明暗を波にしておくと、めくるたびに小さな切り替えが起きて、最後まで手が動きます。
⑥ 説明文は、3行以内に収める
各料理に添える説明文は、長くても3行です。
「炎で表面が香ばしく焼かれ、煙が魚の臭みを消してくれる。」「炭独特の香ばしい香りが食欲を刺激する、本格派な串焼き。」
長い説明は、読まれません。読まれないだけならいいんですが、写真の面積を食います。メニューで写真より説明が大きくなったら、たいてい逆効果なんですよね。
書くのは、味の方向(香ばしい、さっぱり、ピリ辛)と、調理の特徴(長時間煮込んだ、炭で焼いた、藁で炙った)だけ。あとは写真に任せます。
⑦ 最後のページは、締めの3カテゴリ
12ページ目は「飯」「麺」「甘」の3カテゴリを1ページに。
明太子焼きおにぎり、しらすぶっかけ高菜チャーハン、和牛焼肉ライスバーガー、肉味噌ジャージャー麺、シューアイスの天ぷら、雪見きな粉アイス大福 黒蜜がけ、デニッシュ生地ハニートースト。
居酒屋の締めって、飲んで食べた最後に、もう一度メニューを開く場面なんですよね。そのときに3カテゴリが1ページに揃っていると、ご飯もの、麺、デザートを見比べながら選べます。
ページを分けると、酔っているお客様が探すことになってしまいます。
クライアント様のご紹介
炎舞(ENBU) 様
シンガポールにある、Japanese Grill Izakaya(日本式のグリル居酒屋)です。
看板は、店名のとおり炎を使った料理。高温の藁で一気に炙る 藁焼き と、炭火でじっくり火を入れる 炭焼き を軸に、日本の居酒屋料理をひととおり展開されています。
藁焼きローストビーフ、鶏の藁炙り焼き、カツオの炙り藁焼き、タラバガニの藁炙り焼き。炭焼きでは丸ごとキャベツの炭火焼き、北海道産ホタテのバター焼き、軟骨ソーキの山葵焼き、肉汁とろホッケ炭火焼き。沖縄の食材である軟骨ソーキが入っているのも特徴です。
名物は 大鉢刺身盛り。「黒いダイヤ」と呼ばれる本マグロの大トロ・中トロ・赤身が全て揃った、店イチオシの刺身盛りです。
そのほか、刺身、カクテルシューター、おつまみ、サラダ、ピンチョス、鉄板、揚げ物、蒸し物、炙り鮨、鮨、飯・麺・デザートまで、居酒屋として必要なカテゴリが12ページに収まっています。
ドリンクメニュー も、あわせて制作させていただきました。
※掲載内容は制作時の情報となります。
デザネコからのメッセージ
ページ数の多いメニューほど、「順番」の設計が効いてきます。
やりがちなのは、料理のジャンル順(前菜→メイン→締め)に並べることです。筋は通っているんですが、これだと1ページ目がいちばん地味になるんですよね。前菜って、写真の力がいちばん弱いカテゴリですから。
今回は逆にしました。いちばん強い藁焼きと炭焼きを1〜2ページ目に置いて、名物の刺身盛りで一度手を止めさせて、そのあとに刺身・おつまみ・サラダと日常のカテゴリを並べる。締めは最後の1ページにまとめる。
開いて3秒で「この店はこれだ」と分かる。多ページのメニューでは、これがいちばん大事だと思っています。
「うちのメニュー、ページは多いのに同じものばかり注文される」
そんなときは、料理を変えるより先に、ページの順番を見直してみるといいかもしれません🐾
こんなご相談、承っています
- チラシ・フライヤーのデザイン(A4片面・両面、イベント告知、キャンペーン告知)
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- お問い合わせフォーム:https://d-neko.com/contact.php
この記事はデザネコ(https://d-neko.com/)が執筆しました。沖縄を拠点に、開業1〜3年目の個人事業主・中小企業オーナーのデザイン・販促・集客をサポートしています。
クライアント様のご紹介
炎舞(ENBU)
シンガポール
シンガポールにある Japanese Grill Izakaya(日本式のグリル居酒屋)。
看板は、店名のとおり炎を使った料理。高温の藁で一気に炙る「藁焼き」と、炭火でじっくり火を入れる「炭焼き」を軸に、日本の居酒屋料理をひととおり展開されています。沖縄の食材である軟骨ソーキが入っているのも特徴です。
名物は「大鉢刺身盛り」。「黒いダイヤ」と呼ばれる本マグロの大トロ・中トロ・赤身が全て揃った、店イチオシの刺身盛りです。
そのほか刺身、カクテルシューター、おつまみ、サラダ、ピンチョス、鉄板、揚げ物、蒸し物、炙り鮨、鮨、飯・麺・デザートまで、居酒屋として必要なカテゴリが12ページに収まっています。
※掲載内容は制作時の情報となります。