【制作実績】和食居酒屋のドリンクメニュー制作(全6ページ)|炎舞様(シンガポール)
ドリンクメニューには、フードにない難しさがあります。写真で差が出ないんです。シンガポールの和食居酒屋 炎舞(ENBU)様のドリンクメニュー全6ページ。写真が効くページと効かないページをはっきり分けて、日本酒やウイスキーは文字組みだけで見せる構成にしました。
ドリンクメニューには、フードメニューにない難しさがあります。
写真が撮れないんです。
正確に言うと、撮れるけど差が出ない。ハイボールとウーロンハイと緑茶ハイを並べて撮っても、どれも「グラスに入った茶色い液体」にしか見えません。銘柄が30個あっても、写真では30枚とも似た絵になってしまう。
じゃあ何で見せるかというと、文字の組み方なんですよね。
シンガポールの和食居酒屋 炎舞(ENBU/Japanese Grill Izakaya) 様。全6ページのドリンクメニューを制作しました。

制作したもの
全6ページのドリンクメニューです。構成はこうなりました。
- 特製茶葉使用のアイスハイ/つぶつぶカクテル/ミルク系カクテル
- 果肉入りフローズンサワー/生搾りスカッシュ/ソフトドリンク
- ビール/スピリッツ・リキュール
- ワイン(竹筒ワイン/グラス・ボトルワイン)
- 日本酒
- 厳選酒(焼酎・梅酒)/ハイボール・ウイスキー
日本語と英語の併記を前提に、銘柄名は日本語を大きく、ローマ字表記を小さく下に添える形で統一しています。
デザインで考えたこと
① 写真が効くページと、効かないページを分ける
冒頭に書いた問題への答えが、これでした。
写真が効くのは、色がついた飲み物です。烏龍茶葉アイスハイの琥珀色、緑茶葉アイスハイの黄緑、つぶつぶカシスオレンジのグラデーション、果肉入りフローズンサワーのマンゴーやライム。これらは写真で見せる価値があります。
一方、ビールの銘柄、ウイスキー、日本酒、焼酎。これらは写真を並べても差が出ません。だから文字組みで見せるページにしました。
同じ冊子のなかに、写真主体のページと文字主体のページを混ぜています。全ページを同じ作り方で統一しないほうが、結果として読みやすくなるんですよね。
② 1ページ目は、茶葉ハイを大きく2つ
1ページ目の上半分を、烏龍茶葉アイスハイと緑茶葉アイスハイの写真2枚で埋めました。氷の入ったグラスに、茶葉から淹れた液体が注がれている写真です。
それぞれに「特製茶葉使用」と縦書きの筆文字を添えています。
海外の日本食店で、緑茶ハイや烏龍ハイは説明が要るドリンクなんですよね。「お茶で割ったお酒」という発想自体が、日本以外ではあまり一般的ではありません。だから、まず見た目を大きく見せて、飲み物の姿を先に伝えています。
③ 果肉入りサワーは、フルーツの実物を横に置く
2ページ目、果肉入りフローズンサワーのページ。
ゆずサワー、マンゴーサワー、オレンジサワー、ライムサワー。それぞれのグラス写真の横に、ゆずの実、切ったマンゴー、オレンジの断面、ライムの実を並べました。
グラスだけだと、何のフルーツなのか分かりにくいんです。とくに海外だと、名前を読んでもピンとこないことがある。実物を横に置くと、言葉が分からなくても選べます。
背景は、氷を敷き詰めた写真。冷たさを、飲み物ではなく背景側で表現しました。
④ ビールとスピリッツは、上下で色を反転させる
3ページ目。上半分は白背景に、サッポロ生ビールとコエドビールの写真を大きく。下半分は黒背景にして、ジン、ウォッカ、ラム、テキーラ、リキュールの銘柄名を2列で並べました。
同じページのなかで、背景を白から黒に切り替えています。
ビールは食事の最初に頼むもの、スピリッツは後半に頼むもの。時間帯が違う2つのカテゴリを、色で分けました。黒地に白文字にすると、バーの棚のような雰囲気が出るんですよね。
銘柄名は、日本語カタカナを大きく、英語表記を小さく下に。「ビーフィーター <Gin>BeefEater」という形です。カテゴリ(Gin、Vodka、Rum、Tequila)を英語表記の頭に入れておくと、日本語が読めなくても種類が分かります。
⑤ ワインは、竹筒の写真を1点だけ
4ページ目のワイン。ここで置いた写真は1枚だけです。
竹を切って作った筒に、ワインが注がれている写真。「竹筒ワインでご提供(500ml)」という見出しを添えました。
ワインのページで、ボトルの写真をずらっと並べる作り方もあります。でも、炎舞さんの提供の仕方がこの竹筒なら、それが最大の情報なんですよね。ワインの銘柄はどの店でも似たものが並びますが、竹筒で出す店はそう多くない。
銘柄一覧は、赤白を四角のアイコンで色分けして、シンプルな2段組にしました。産地(Australia、Chili、Japan、Italy)を英語表記に入れています。
背景には、ぶどうの房と竹のイラストをうっすら。ここで写真を足すと、竹筒の1枚が弱くなってしまうので。
⑥ 日本酒は、樽の写真を主役にする
5ページ目。八海山の菰樽(こもだる)に、炎舞のロゴが入った写真を左上に大きく置きました。「八海山を特製樽でご提供」の見出しつきです。
その下に、百十郎、獺祭 磨き三割九分、鳳凰美田、明石鯛、明鏡止水、越後鶴亀、新政、雪男、不動、澤屋まつもと。ボトルの小さな写真を各行の左に添えて、銘柄名、ローマ字、日本酒度(+2、+3、+4といった数値)、説明文を並べています。
日本酒度の数値を入れたのは、辛口か甘口かを数字で判断できる人がいるからです。分からない人のために、説明文で「すっきりとした爽快な辛さ」「上品な香りがふわっと」と言葉でも書いています。
背景は、白い和紙のような質感にしました。ここまでのページで色を使っているので、日本酒だけは静かにしています。

⑦ 最後のページに、「シンガポール初」を置く
6ページ目。上半分は厳選酒(いいちこ、鶯宿梅、ゆず梅酒、海童、鳥飼、樽熟成 赤閻魔)を、浮世絵風のイラストとともに。下半分は黒背景にして、ハイボールとウイスキーを並べました。
そして左下、サーバーから注がれるビールの写真の上に、金色の枠で「シンガポール初! 超炭酸ハイボール」。
この一行が、6ページのなかでいちばん強い文言なんですよね。「初」という言葉は、地域を限定すると急に強くなります。
最後のページに置いたのは、締めの飲み物だからです。食べ終わってもう一杯、という場面で開かれるページに、いちばん頼みたくなる一行を置いておく。

クライアント様のご紹介
炎舞(ENBU) 様
シンガポールにある、Japanese Grill Izakaya(日本式のグリル居酒屋)です。
藁焼きと炭焼きを看板にした料理と合わせて、ドリンクの品ぞろえもかなり本格的です。
特製の茶葉から淹れる烏龍茶葉アイスハイ・緑茶葉アイスハイ、果肉入りのフローズンサワー、生搾りのスカッシュ。ビールはサッポロ生のほか、志賀高原IPA、常陸野White、よなよなエール、コエドビールといったクラフトビールも。
日本酒は、八海山を特製の菰樽でご提供されているのが目玉で、獺祭、鳳凰美田、明鏡止水、新政、澤屋まつもとなど、日本の地酒がひととおり揃っています。ワインは竹筒(500ml)での提供という、面白い出し方をされています。
そして シンガポール初の「超炭酸ハイボール」。サントリー角瓶を使った、炭酸の強いハイボールです。
フードメニュー も、あわせて制作させていただきました。
※掲載内容は制作時の情報となります。
デザネコからのメッセージ
写真が使えない商品を売るとき、頼りになるのは並べ方です。
ドリンクメニューは、その典型なんですよね。中身の違いが見た目に出ないので、文字の大小、行間、色の分け方、区切り線。この4つだけで「選べる表」を作ることになります。
コツは、1ページに入れる情報の種類を2つまでにすることでした。銘柄名と説明文。あるいは銘柄名と価格。ここに産地と度数とグラスサイズまで足すと、目が滑り始めます。
もうひとつは、写真を使うページと使わないページを、はっきり分けること。全ページに小さな写真を散らすくらいなら、写真のないページを作ってしまったほうが、どちらのページも読みやすくなります。
これ、飲食店だけの話ではなくて。部品のカタログ、サービスの一覧、保険のプラン表。写真で差が出ない商品を扱っている方には、どこかで通じる話だと思います。
「うちの商品、写真映えしないんだよね」
それ、じつは並べ方で解ける問題かもしれません🐾
こんなご相談、承っています
- チラシ・フライヤーのデザイン(A4片面・両面、イベント告知、キャンペーン告知)
- パンフレット・リーフレット・冊子の制作
- 飲食店メニュー(フード・ドリンク・コース表)
- ロゴ、看板、名刺、ショップカード、パッケージ
- ホームページ制作、Instagram連動の集客づくり
- 公式LINE:友だち追加はこちら
- Instagram:@dezaneko
- お問い合わせフォーム:https://d-neko.com/contact.php
この記事はデザネコ(https://d-neko.com/)が執筆しました。沖縄を拠点に、開業1〜3年目の個人事業主・中小企業オーナーのデザイン・販促・集客をサポートしています。
クライアント様のご紹介
炎舞(ENBU)
シンガポール
シンガポールにある Japanese Grill Izakaya(日本式のグリル居酒屋)。藁焼きと炭焼きを看板にした料理と合わせて、ドリンクの品ぞろえも本格的です。
特製の茶葉から淹れる烏龍茶葉アイスハイ・緑茶葉アイスハイ、果肉入りのフローズンサワー、生搾りのスカッシュ。ビールはサッポロ生のほか、志賀高原IPA、常陸野White、よなよなエール、コエドビールといったクラフトビールも。
日本酒は八海山を特製の菰樽で提供されているのが目玉で、獺祭、鳳凰美田、明鏡止水、新政、澤屋まつもとなど日本の地酒がひととおり。ワインは竹筒(500ml)での提供という面白い出し方をされています。
そして、シンガポール初の「超炭酸ハイボール」。
※掲載内容は制作時の情報となります。