【制作実績】炭火炉端焼のグランドメニュー制作(全6見開き)|火鉢屋様(沖縄)

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【制作実績】炭火炉端焼のグランドメニュー制作(全6見開き)|火鉢屋様(沖縄)

メニューの1ページ目の見出しは「他産地消にこだわる」。地産地消の「地」が「他」になっています。沖縄のお店なのに地元産を売りにせず、全国各地から仕入れることを言い切った炭火炉端焼 火鉢屋様のグランドメニュー全6見開き。産地の地図シルエット、全ページに押した朱印、章ごとの色分けラベルで、産地そのものを主役にしました。(※2022年8月、閉店)

目次

    このメニューの1ページ目に、こんな見出しが入っています。

    「他産地消にこだわる」

    読み違いではありません。地産地消の「地」が、「他」になっているんです。

    沖縄のお店なのに、地元産を売りにしない。むしろ「全国各地から仕入れています」と言い切る。最初にこの言葉を見たとき、これは強いなと思いました。

    旬味滋味 炭火炉端焼 火鉢屋 様。全6見開きのグランドメニューを制作しました。

    (※2022年8月、閉店)

    火鉢屋 メニュー 他産地消にこだわる/酒の肴・人気の甘味

    制作したもの

    見開き6面(A3横相当)のグランドメニューです。中身はこんな並びになりました。

    内容

    1

    他産地消にこだわる/火鉢屋 酒の肴・人気の甘味

    2

    福岡県産 辛子明太子・鳥取県産 肉厚ベビーエリンギ/沖縄県産 朝〆山原鶏・神奈川県産 黒毛和牛ホルモン・豪州産 やわらか牛タン

    3

    本格備長炭のこだわり炭火焼/極上黒豚・骨付仔牛

    4

    料理長こだわりの厳選食材使用 創作料理(北海道函館産 吉次)/中落ち鮪・鮪の顎肉

    5

    全国各地より産地直送 新鮮野菜(在来種 島らっきょう)/炭火野菜

    6

    こだわりの飯/二八蕎麦・海鮮スンドゥブ

    全品、税抜価格と税込価格を併記しています。

    デザインで考えたこと

    ① 「他産地消」を、1ページ目の顔にする

    冒頭に書いた言葉です。この4文字を、筆文字で縦に、ページの右半分いっぱいに置きました。

    沖縄の飲食店で「地産地消」を掲げるお店は、たくさんあります。それは正しいし、強い。ただ、正しくて強いということは、同じことを言うお店が多い ということでもあるんですよね。

    火鉢屋様は、全国各地から毎日仕入れる形を選ばれていました。だったら、そこを隠して地元産だけを前に出すより、逆を言い切ったほうがいい。

    「他産地消」は、見た瞬間に「ん?」と引っかかります。この引っかかりが、そのまま説明を読む理由になるんです。すぐ下に「旬の食材を新鮮なまま御提供。」という一行を添えて、意味がその場で分かるようにしました。

    背景には、筆で刷いたようなグレーの帯を1本。文字の後ろに紙の質感を入れると、和の温度が出ます。

    ② 全ページに、同じ朱印を押す

    各料理ブロックの隅に、赤い印章(ハンコ)のマークを繰り返し配置しました。「産地直送」と読める朱印と、店のシンボルマークの朱印です。

    これ、地味なんですが効いています。

    見開き6面ものメニューって、めくっているうちに「いま何の本を見ているんだっけ」が薄れてくるんですよね。全ページの同じ位置に同じ朱印があると、めくっても同じお店の紙だという感覚が続きます。

    朱色にしたのは、写真がどれだけ色とりどりでも、赤い印だけは沈まないからです。

    ③ 産地ごとに、地図のシルエットを添える

    見出しの横に、都道府県の形をした小さなシルエットを入れました。

    沖縄県産の朝〆山原鶏には沖縄本島。福岡県産の辛子明太子には福岡県。鳥取県産の肉厚ベビーエリンギには鳥取県。神奈川県産の黒毛和牛ホルモンには神奈川県。豪州産の牛タンにはオーストラリア。

    産地名は文字でも書いてあります。それでも形を添えたのは、読まなくても分かるから なんですよね。

    「福岡県産」と書かれた4文字を読むのには、一瞬とはいえ時間がかかります。九州の形は、見た瞬間に分かる。文字と形の両方を置いておくと、飛ばし読みする人にも産地の話が届きます。

    火鉢屋 メニュー 福岡県産辛子明太子・鳥取県産ベビーエリンギ/沖縄県産 朝〆山原鶏

    ④ ラベルの色で、章を見分けられるようにする

    料理名の上に付く縦長のラベルを、内容によって色分けしました。

    • :産地直送、厳選食材、店の看板メニュー
    • :福岡・博多からの直送、飯もの
    • :野菜、その時期の旬
    • ピンク:デザート、自家製の甘味

    見開き6面を一気にめくると、どこが何の章なのかを覚えていられません。色が変わると、そこで章が変わったことが文字より先に伝わるんですよね。

    とくに緑は効きました。肉と魚が続いたあとに緑のラベルが出てくると、そこが野菜のページだと一瞬で分かります。

    ⑤ 縦組みを、崩さずに通す

    このメニュー、料理名も説明文もすべて縦組みです。

    横組みのほうが、じつは作るのは楽なんです。数字も英字も自然に入りますから。それでも縦で通したのは、炉端焼きというお店の性格に、縦組みのほうが合うからでした。

    縦組みには、視線が上から下へ落ちるという特性があります。串焼き、一本漬け、串天ぷら、丸ごと炭火焼き。このメニューには縦に長い料理が多いので、写真と文字の流れる向きが揃うんですよね。

    価格だけは、算用数字を全角で組んで縦のまま。「490円(税込514円)」という形です。ここを横組みにすると、そこだけ紙が洋風になってしまいます。

    ⑥ 食材そのものの写真を、料理より大きく置く

    各章の扉には、料理ではなく 食材 の写真を大きく置きました。

    • 網の上に並んだ、獲れたての鮮魚(鯛、金目鯛、サンマ、ホタテ、貝類)
    • 根っこまで付いた、在来種の島らっきょう
    • 土から抜いたままのベビーエリンギ
    • 赤く熾った備長炭
    • 稲穂が実った田んぼ

    料理写真だけを並べると、「うまそう」までは伝わります。でも「なぜうまいのか」は伝わらないんですよね。

    食材の姿を先に見せておくと、そのあとの料理写真が「あの食材がこうなったのか」という読み方に変わります。とくに島らっきょうは、根が付いたままの束を見開きの半分近く使って置きました。

    火鉢屋 メニュー 本格備長炭のこだわり炭火焼/極上黒豚・骨付仔牛

    ⑦ 炭の話は、文章で書く

    炭火焼の章には、こんな説明文を入れました。

    「炭火から出る遠赤外線の量は、ガスのおよそ4倍。加熱効果が大変良く、速度も早く仕上げられる為、食材の色・香り・風味を損なわず御提供できます。」

    数字がひとつ入っているだけで、話が急に具体的になるんですよね。「炭火は美味しい」と書くのと、「遠赤外線がガスの4倍」と書くのとでは、読んだあとに残るものが違います。

    同じように、薬味の「ゆずとんがらし」にも独立した囲みを作りました。博多ゆずこしょうとの違い、無添加の国産原料であること、皮剥きがすべて手作業であること、八つ房唐辛子と利尻産昆布と長崎県玄界灘の天然海塩を使っていること。

    薬味の説明に、これだけの分量を割くメニューはあまりありません。ただ、串物すべてに添えられるものなので、ここが読まれると全部の串の価値が上がるんですよね。

    ⑧ 高額な一品は、見開きを独占させる

    北海道函館産の吉次(きちじ)。塩一夜干しを備長炭で炭火焼にした、半身980円の一品です。

    この料理には、見開きの右ページをまるごと使いました。焼き上がった吉次の身をほぐした写真を大きく置いて、右に縦組みで「函館の吉次は肉厚で旨い。」の一文。

    そのまわりに、干した状態の吉次の写真、熾った炭の写真、そして長い解説文を回しています。

    「仕入れが一番大切。特に吉次は大きなものを選んでいます。」「白身魚でありながらしたたり落ちる脂は圧巻の一言。それでいてしつこくない上質の脂の旨みは、多くの食通をも唸らせてきました。」

    980円は、このメニューのなかでは高いほうの価格帯です。ほかの料理が380円から680円で並ぶなかで、この1品だけ理由を長く説明する。価格差は、面積と文字量で正当化する のが基本だと思っています。

    火鉢屋 メニュー 創作料理 函館産吉次/中落ち鮪・鮪の顎肉

    ⑨ 「載っていない料理」への導線を作る

    このメニュー、じつは全部を載せていません。

    見開き4面の下部に、囲みでこんな文章を入れました。

    「このメニューには掲載していない逸品がございます。それぞれは、旬の食材を使用した料理でございますが、季節や天候不順などにより仕入れられる食材も変わります。火鉢屋の料理人は日々食材を厳選しております。是非、テーブルにある日替わりのメニューをご覧下さい。」

    産地直送を掲げているお店だと、必ずこの問題が出てくるんですよね。仕入れは毎日変わるのに、印刷物は変わらない。

    ここで大事なのは、載っていないことを弱点にしない ことでした。「日替わりがあります」ではなく「厳選しているから日替わりになります」という順番で書くと、同じ事実が強みに変わります。

    ⑩ 野菜の章だけ、白を多めに残す

    野菜の見開きは、背景の余白を他の章より多めに取りました。緑のラベルと、白い余白の組み合わせです。

    肉と魚の章では、写真をぎっしり敷き詰めています。ボリューム感がそのまま満足感になるので。

    でも野菜は逆なんですよね。詰め込むと重くなって、さっぱりした料理に見えなくなる。同じ紙のなかで、章ごとに 余白の量そのものを変える ようにしました。

    火鉢屋 メニュー 産地直送 新鮮野菜 島らっきょう/炭火野菜

    ⑪ 締めの章は、稲穂の写真から入る

    最後の見開きは「こだわりの飯」と「二八蕎麦」。

    飯の章の扉に置いたのは、実った稲穂の田んぼの写真です。青々とした葉と、頭を垂れた穂。料理写真は1枚も入れずに、上半分をこの1枚に明け渡しました。

    炒飯や焼きおにぎりの写真から始める手もあります。ただ、締めのご飯ものって、その日いちばん最後に頼むものなんですよね。お腹が満ちてきたところで開かれるページに、いきなり油の乗った炒飯を出すと、少し重い。

    田んぼの写真をひとつ挟んでおくと、そこで呼吸が入ります。そのうえで、琉球在来黒豚アグーの豚バラ肉本格炒飯880円、ピリ辛キムチ炒飯680円、と続く形にしました。

    蕎麦の章も同じ考えで、茹で上がった二八蕎麦のざるを大きく1枚。

    火鉢屋 メニュー こだわりの飯/二八蕎麦・海鮮スンドゥブ

    ⑫ 価格は、税抜と税込を必ず並べる

    全品に「490円(税込514円)」の形で、2つの数字を入れました。

    税抜だけを大きく書いて、税込を注記に逃がすやり方もあります。見た目の数字は安くなりますから。

    ただ、炉端焼きのお店って、何品も頼むんですよね。1品あたりの差は小さくても、10品頼んだら会計での差が出ます。そこで「思っていたより高い」となるのがいちばんよくない。

    税込を隣に置いておくと、お客様が頭のなかで計算しなくて済みます。安く見せることより、会計のときにびっくりさせないこと を取りました。

    クライアント様のご紹介

    旬味滋味 炭火炉端焼 火鉢屋

    沖縄にあった、炭火炉端焼のお店です。本格備長炭を使った炉端焼きを軸に、全国各地から産地直送で仕入れた食材を提供されていました。

    掲げていらっしゃったのは 「他産地消にこだわる」。旬の食材を、新鮮なまま御提供する、という考え方です。毎日全国各地より産地直送の鮮魚を仕入れ、日替わりのメニューも用意されていました。

    食材の産地は、沖縄県産の朝〆山原鶏、糸満漁港卸し直送のタコ、契約農家直送の在来種 島らっきょう、琉球在来黒豚アグー。県外からは福岡県博多の辛子明太子と銀だら、鳥取県産の肉厚ベビーエリンギ、神奈川県産の黒毛和牛ホルモン、北海道函館産の吉次とほっけ。さらに豪州産の穀物牛やわらか牛タン、スペイン産のイベリコ豚まで。

    自家製へのこだわりも強いお店で、厳選した鰹節を使った自家製しょうゆ、無添加の国産原料だけで作るゆずとんがらし、昆布だしの自家製とろーりポン酢、自家製腸詰めソーセージ、自家製生かまぼこ、自家製雪見だいふくまで。

    炭火炉端職人による串焼き各種(各二本入り290円)から、料理長こだわりの創作料理、二八蕎麦、海鮮スンドゥブ、炒飯、そして自家製の甘味まで。価格帯は380円から980円が中心で、気軽に何品も頼めるお店でした。

    店舗情報

    • 店名:旬味滋味 炭火炉端焼 火鉢屋
    • 業態:炭火炉端焼/産地直送
    • 所在地:沖縄
    • ※2022年8月、閉店

    ※掲載内容は制作時の情報となります。

    デザネコからのメッセージ

    沖縄で商売をしていると、「県産」という言葉は、ほとんど無条件に強いカードとして扱われます。

    実際そのとおりで、県産と書いてあれば、地元の方も観光の方も安心してくれる。だから多くのお店が、そこを前に出します。

    ただ、みんなが同じカードを出すと、そのカードの効き目は薄まっていくんですよね。

    火鉢屋様がすごかったのは、そこで逆を張ったことでした。「他産地消」。沖縄のものも仕入れる、でも全国からも仕入れる、いいものを毎日選ぶことのほうが大事だ、という宣言です。

    これ、自分たちの実際のやり方をそのまま言葉にしただけなんです。新しいことを言ったのではなく、やっていることを正直に言った。それが結果として、他店と違う顔になった。

    キャッチコピーを考えるとき、かっこいい言葉を探しにいきたくなります。でも、いちばん強いのはたいてい、そのお店がすでにやっていることのなかにあるんですよね。

    「うちには特徴なんてないんです」

    そうおっしゃるお店ほど、話を聞いていくと出てくるものがあったりします。いちど、うちに聞かせてもらえませんか🐾

    こんなご相談、承っています

    • チラシ・フライヤーのデザイン(A4片面・両面、イベント告知、キャンペーン告知)
    • パンフレット・リーフレット・冊子の制作
    • 飲食店メニュー(フード・ドリンク・コース表)
    • ロゴ、看板、名刺、ショップカード、パッケージ
    • ホームページ制作、Instagram連動の集客づくり

    この記事はデザネコ(https://d-neko.com/)が執筆しました。沖縄を拠点に、開業1〜3年目の個人事業主・中小企業オーナーのデザイン・販促・集客をサポートしています。

    クライアント様のご紹介

    旬味滋味 炭火炉端焼 火鉢屋

    沖縄

    沖縄にあった炭火炉端焼のお店。本格備長炭を使った炉端焼きを軸に、全国各地から産地直送で仕入れた食材を提供されていました。

    掲げていらっしゃったのは「他産地消にこだわる」。旬の食材を新鮮なまま御提供する、という考え方です。毎日全国各地より産地直送の鮮魚を仕入れ、日替わりのメニューも用意されていました。

    食材は、沖縄県産の朝〆山原鶏、糸満漁港卸し直送のタコ、契約農家直送の在来種 島らっきょう、琉球在来黒豚アグー。県外からは福岡県博多の辛子明太子と銀だら、鳥取県産の肉厚ベビーエリンギ、神奈川県産の黒毛和牛ホルモン、北海道函館産の吉次とほっけ。さらに豪州産の穀物牛やわらか牛タン、スペイン産のイベリコ豚まで。

    自家製へのこだわりも強く、自家製しょうゆ、無添加のゆずとんがらし、自家製とろーりポン酢、自家製腸詰めソーセージ、自家製生かまぼこ、自家製雪見だいふくまで手がけていらっしゃいました。

    炭火炉端職人による串焼き各種から創作料理、二八蕎麦、海鮮スンドゥブ、炒飯、自家製の甘味まで。価格帯は380円から980円が中心でした。

    ※2022年8月、閉店

    ※掲載内容は制作時の情報となります。

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    デザネコ

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