お店のキャラを、LINEスタンプにしませんか|Codexで作る最新のやり方と、僕がつまずいた3つの落とし穴
お店のキャラクターをLINEスタンプにする方法を、沖縄のデザイン会社デザネコが解説します。Codexを使えば、透過・リサイズ・ZIP化という34枚ぶんの作業が20分ほどに。LINEが決めている画像サイズ、かかるお金、そして「AI任せのままでは審査に出せない」3つの落とし穴まで、実際にやってみた手順をそのまま書きました。

「うちのキャラクター、LINEスタンプにできないですかね?」
先月、名刺を作らせてもらった整体院のオーナーさんに、そう聞かれました。看板に描いてある、腰に手を当てたクマのイラストです。お客さんにけっこう可愛がられているらしくて、「あれがLINEで送れたら、みんな喜ぶと思うんですよ」と。
いい発想だと思いました。思ったんですが、その場ですぐ「やりましょう!」とは言えなかったんです。
理由は、絵ではありません。スタンプは、絵ができてからが長いからです。
ところが今年に入って、その「長い部分」がごっそり短くなりました。Codex(コーデックス) というAIに任せられるようになったからです。実際にやってみたら、32枚のスタンプが半日で形になりました。
なりました、が。最初に作った32枚は、1枚も申請できませんでした。
作り方だけでなく、そこでつまずいた3つも含めて書きます🐾
大変なのは絵じゃなくて、そのあとの作業なんです

LINEスタンプを作ったことがない方には、たぶんイメージしづらい部分だと思います。
絵を32枚描く。それだけ聞くと「まあ、大変そうだな」で終わりますよね。じっさいに手を止めるのは、そこじゃありません。
LINEが公式に決めているルールを、そのまま並べてみます。
項目 | 決まり |
|---|---|
スタンプ画像 | 最大 370×320px のPNG、8・16・24・32・40枚のどれか |
メイン画像 | 240×240px のPNGを1枚 |
トークルームタブ画像 | 96×74px のPNGを1枚 |
背景 | 透過(背景が透明)必須 |
余白 | 画像の外枠と絵の間に 10pxほど空ける |
容量 | 1枚 1MB以下、まとめたZIPは 60MB以下 |
その他 | 72dpi以上、RGBカラー、縦横は偶数px推奨 |
(※LINE Creators Market 公式ガイドラインより)

これを、34枚ぶんやります。32枚のスタンプに、メイン画像とタブ画像を足して34枚。
1枚ずつPhotoshopで開いて、背景を消して、はみ出さないように余白を10px残して、偶数pxにそろえて、名前を付けて保存する。慣れている人でも1枚3分。34枚で1時間半から2時間。しかも途中で「あ、この子だけ余白が足りない」が必ず出ます。
僕がその場で「やりましょう」と言えなかったのは、ここでした。絵は描ける。でも、そのあとの2時間を、どう見積もってお客さんに請求するのかが、ずっと悩ましかったんです。
Codexは、絵を描くAIじゃありません

ここで名前が出てくるのが Codex です。
「AIで画像を作る話でしょ?」と思われた方、半分だけ合っています。Codexは絵を描きません。
Codexは、OpenAI(ChatGPTを作っている会社)の 作業をやってくれるAI です。ChatGPTが「話し相手」だとすると、Codexは「手を動かす人」。パソコンの中のファイルを開いて、加工して、名前を付けて、フォルダにまとめるところまで自分でやります。
うちはもう1年ちかく、Claude CodeとCodexを日々の仕事に使っていますが、いちばん助かるのは、まさにこういう 「単純だけど数が多い作業」 なんですよね。
つまり、役割はこうなります。
- ChatGPT(絵を描くほう) … キャラクターのイラストを生成する
- Codex(片付けるほう) … 切り出す・透過する・余白を取る・リサイズする・ZIPにまとめる
さっきの「2時間かかる34枚の作業」が、Codexの担当分です。
例えばですね。年賀状を100枚出すとして、宛名を1枚ずつ手で書くのと、住所録を渡して印刷にかけるのと、どちらが速いかという話に近いです。書く内容を決めるのは人。同じことを100回くり返すのは機械。 その線引きが、やっと引けるようになった、という感じでしょうか。
実際の流れは、大きく5つです

整体院のクマも、この順番で進めました。
① キャラクターの「見本」を1枚用意する
看板のイラストでも、名刺のキャラでも、スマホで撮った写真でもかまいません。これが全部の元になります。
② ChatGPTで、まとめて描いてもらう

ここがコツなんですが、1枚ずつ32回お願いしない。「4×4のマス目に16パターン並べた1枚の画像」として描いてもらいます。それを2回。これで32パターンぶんです。
1枚ずつ頼むと、10枚目あたりから顔が別人になってきます。同じ画像の中に並べて描かせると、キャラクターがそろいやすいんですね。
セリフも一緒に入れてしまいます。「おはよう」「ありがとう」「了解です」「おつかれさま」「ごめん」「大丈夫?」あたりは、どのお店でも使えるので鉄板です。
③ Codexに、その1枚を渡す
Codexにお願いするのは、こういう内容です。
この画像を4×4の16マスに切り分けて、それぞれ背景を透過したPNGにしてください。絵の周りの余白は10px残して、横370px・縦320pxに収まるようにリサイズ。縦横は偶数pxにそろえて、01.png から連番で保存してください。あわせて240×240pxのメイン画像と、96×74pxのタブ画像も作ってください。
日本語でこう書くだけです。Codexが裏でPython(プログラムを書く言葉のひとつ)の処理を組んで、勝手に実行してくれます。Pillow(ピロー) という画像を扱う道具を使うんですが、最初の1回だけ「入っていなければ入れておいて」とお願いすれば済みます。
④ 白背景で並べて、目で見る
Codexに「確認用のHTMLを作って」と頼むと、34枚を一覧で並べたページを作ってくれます。白い背景と黒い背景の両方で見られるようにしておくのがおすすめ。透過が抜けている子は、黒背景にすると一発でわかります。
⑤ LINE Creators Market にアップロードする
creator.line.me で登録して(登録は無料です)、ZIPをアップロード。タイトル40文字以内、説明文160文字以内を入れて申請します。
審査は 3〜5営業日 が目安。早ければ2日ほどで返ってきます。
ここまでで、実作業は半日ほど。以前の「2時間の手作業」が、待ち時間をのぞけば20分くらいになりました🐾
お金の話。月3,000円と、あとはほぼ無料です

気になるところですよね。
かかるもの | 金額 |
|---|---|
ChatGPT / Codex(Plusプラン) | 月 20ドル(約3,000円) |
LINE Creators Market の登録 | 無料 |
審査・申請 | 無料 |
スタンプの販売手数料 | 売れたときだけ |
Codexは単体のサービスではなくて、ChatGPTの契約に含まれています。無料プランでも触れますが、途中で止まりやすいので、まとまった量をやるならPlus(月20ドル)からが現実的です。
もっと使う方向けにProプラン(月100ドル/200ドル)もありますが、スタンプを何本か作るくらいなら Plus でじゅうぶんでした。
ちなみに、APIキーというもので繋ぐと、使った分だけの従量課金(使った量で請求が変わる方式)になります。うっかりこちらを選ぶと、思ったより請求が来ることがあるので、最初はChatGPTのアカウントでログインする形をおすすめします。
売れたときの取り分は 35%。120円のスタンプが1つ売れて、手元に40円ちょっと、という計算です。ためた分配金が 1,000円を超えると 銀行口座に送金申請できます。
「じゃあ25個売って1,000円か…」と思いましたか? その計算、ちょっと待ってください。あとで書きます。
僕が最初に作った32枚が、1枚も出せなかった理由

整体院のクマの話に戻ります。
32枚そろって、透過も完璧で、ZIPもできて、「よし出そう」となったとき、LINEの審査ガイドラインを読み直して固まりました。
「AIによって自動生成されたコンテンツのみで制作されたもの」は、審査の対象外になる場合がある。
そう書いてあったんです。
つまり、AIが出したものをそのまま出すのはダメということですね。制作者としての手が、どこかに入っている必要がある。
これ、けっこう大事な話だと思っています。AIが全部やってくれるという触れ込みの記事はたくさんありますが、最後の仕上げまで人がやらない前提だと、そもそも並べてもらえないわけです。
じゃあ何をすればいいのか。うちがやったのはこのあたりです。
- セリフの文字を、AI任せにせず 自分で入れ直す(フォントもお店のものにそろえる)
- AIが崩した指の本数や、線の途切れを 手で直す
- 色を、お店の看板やチラシと 同じトーンに調整する
- 表情のバリエーションを、AI提案そのままでなく お客さんが使う場面から選び直す
そして、もうひとつ。2025年6月から、AIを使ったスタンプは申請のときに「AI画像生成ツールを使用した」にチェックを入れる決まりになりました。チェックすると、購入ページに [AI] の表示が付きます。
隠したくなる方もいるかもしれませんが、隠す意味はあまりないと思っています。うちの場合、そもそも「うちのキャラを、うちのお客さんに配る」のが目的なので、AIで作ったかどうかは購入の決め手になりません。むしろ 正直に出しておいたほうが、あとで揉めなくて済む。
3つ目の落とし穴は、キャラクターの一貫性です。これはさっき書いたとおり、まとめて1枚に描かせることでほぼ解決しました。1枚ずつ頼んで、あとから「なんか顔が違う…」と気づくのがいちばんつらいので、ここは最初にやり方を決めておいたほうがいいです。
アプリで作ると、1円も入ってこないことがあります

ここまで読んで、「スマホのアプリで作ったほうが早いのでは?」と思った方がいるかもしれません。
LINEには 「LINEスタンプメーカー」 というスマホアプリがあります。写真を選んで指でなぞるだけでスタンプが作れる、とても手軽なアプリです。
ただ、2019年6月26日以降にこのアプリから申請したスタンプは、分配金が0円というルールがあります。売れても、クリエイターには入ってきません。
(※アプリのバージョン4.0以降で、申請時に「有料ダウンロード/分配金あり」を選べば対象になります。ここを選び忘れると0円のままです)
もともとこのアプリは「自分と家族で使うスタンプを作る」ためのものなので、方針としては筋が通っています。ただ、お店の販促としてスタンプを出すなら、Webの LINE Creators Market から申請する。ここは間違えないほうがいいです。
Codexを使う流れなら、そもそもパソコンでZIPを作ってWebからアップロードするので、この問題は自動的に避けられます。
そもそも、スタンプで儲けようとしないほうがいい
さっき保留にした「25個売って1,000円」の話です。
はっきり言ってしまうと、LINEスタンプで売上を作るのは、かなり難しいです。ストアには何百万種類も並んでいて、その中から選ばれる確率は宝くじに近い。副業として期待すると、まず疲れます。
じゃあ、なぜ作るのか。
配るためです。
例えばこんな使い方があります。
- 公式LINEに登録してくれたお客さんに、スタンプのプレゼントコードを送る
- 名刺やショップカードに、スタンプのQRコードを載せる
- お客さんがそのスタンプを友だちとのトークで使う → お店のキャラが、知らない人の画面に出る
3つめが本命です。チラシは捨てられます。看板は前を通らないと見えません。でも スタンプは、お客さんが自分の意思で、自分の友だちに向かって送ってくれる。こんな広告、ほかにないんですよね。
お店のマスコットキャラクターを持つメリットは前にも書きましたが、キャラクターがいる強みが、いちばんわかりやすく出るのがスタンプだと思っています。
もじゃ「つまり売上じゃなくて、名刺代わりってことだね」 くるる「送るたびに、お店の名前を思い出してもらえるってこと🐾」
そういうことです。
まとめ|半日で作れるようになった。でも、最後は人の手で

オーナーさんに口頭で伝えたのは、この7つでした。
- 面倒なのは絵じゃなくて、透過・リサイズ・ZIP化の34枚ぶんの作業
- Codexはその「作業」を引き受けるAI。絵はChatGPT、片付けはCodex
- 4×4で16枚まとめて描かせると、キャラの顔がそろう
- AIだけで完結させたものは審査対象外になりうる。文字入れ・修正・色調整は自分の手で
- 2025年6月から[AI]表示のチェックが必要。隠さず出す
- アプリ経由の申請は分配金0円の場合がある。Webの Creators Market から出す
- 売上より、配って使ってもらうことが目的
冒頭の整体院のオーナーさんには、今このやり方で進めてもらっています。看板のクマが、そのうち誰かのトーク画面に出てくるはずです。
「うちのキャラ、スタンプになりますかね?」
看板に絵があるお店なら、たぶん、なります。まだキャラクターがいないお店でも、そこから一緒に考えられます。ちょっと気になった方は、気軽に声をかけてください🐾
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「うちのキャラでスタンプ、作れますか?」という一言から、お気軽にどうぞ🐾
この記事はデザネコ(https://d-neko.com/)が執筆しました。沖縄を拠点に、開業1〜3年目の個人事業主・中小企業オーナーのデザイン・販促・集客をサポートしています。